街頭演説

2003年3月21日
現場からの帰り道のこと。
厚木市のとあるスーパーマーケットの駐車場の入口のところで、がきおやじが路上ライヴで使うような小さなスピーカーにマイクを差してなにか大きな声で訴えている一人の女性をみた。
細い金縁のめがねを掛けたまじめそうな彼女のうしろには手製の看板がたてかけてあった。
「戦争反対」とかいてある。
夕方5時をまわったころなので、スーパーは夕飯の買い物客でいっぱいなのだが、厚木あたりはみんな車で移動するので、駐車場の入口の歩道に立って大声で演説する彼女の目の前を次々に車が通り過ぎてゆく。
駐車場に入るにはそこを通るしかないのである。
車の数もかなりの量だ。しかし歩道を歩く人の姿はまるでなく、もちろん立ち止まって見ている人は誰もいない。
それでも彼女は声たからかに一人きりで戦争反対を叫んでいるのだ。
あの人を何がそこまで動かすのか。
ああいう人が今日本に何人くらいいるのだろうか。
先を急ぐ俺は信号が青になると同時にその場を去ったがその姿は強く目に焼きついた。
彼女が日本人のイスラム教徒だからなのか、旦那さんがイラクの人なのか、それとも強い平和主義の思想家なのか。
どちらにしても、この戦いがまた少なくとも一人の人間の心に傷をつけたことは間違いない。

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