講話ぶるーす

2003年8月5日
くどいようだが俺は昔ブルースマンにあこがれていた事があって、そんときにはほんとに音楽はブルースしかないと思っていて、こんな俺でさえも楽器や唄を頑張って修行したらいっぱしのブルースマンになれると信じきったりしていた。
もちろん肌の色も骨格も風情たたずまいから育った環境まですべてが超オリジナルジャパニーズのこの俺様に、遠い昔から続く黒人達の悲しみなど到底わかるわけはなく、そういう意味では俺はブルースのほんの上っ面だけを撫でていたに過ぎない。
しかし、ホントにハマッていた。
朝は必ず毎日ブルースで起き、昼はブルースギターを弾き鳴らし夜はブルースをつまみにバーボンウイスキーをラッパのみしながら、なんとなくこの自堕落な生活こそ本物のブルースの匂いに近いのではないか、俺もそのうち本物になれるんだなどと、本物のブルースマンには非常に失礼なことを本気で思っていたのであった。
しかし、どんなに頑張ってもあんな声は出やしないし、あんなギターの音もしてはくれない。
あたりまえであった。
俺は生粋の日本人であり、この俺には日本人の血しか流れていないのだ。
それに気付いてから、俺は日本語をもっと大事にしようと考え始めた。
俺にはブルースマンになることはできない。俺がめざしたのはホントはブルースマンになることではなく、やつらが自分の土地にしがみ付いて唄ったように自分の生まれた日本のうたを唄い続けていくことではないか。
そう思いはじめてブルースを意識しないでギターを弾くようになると、どういう訳かまわりのみんなが「お前のギターってブルースっぽくていいよ。」というようになった。

コメント

最新の日記 一覧

<<  2025年6月  >>
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293012345

お気に入り日記の更新

日記内を検索